フラットバックとは?特徴や影響、改善策について解説

最終更新日:2025.12.11

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背中が平らに見える「フラットバック」は、一見すると姿勢が整っているように見えますが、実は腰痛や肩こりなどの不調を招く原因になることがあります。なぜ背骨のカーブが失われてしまうのか、その背景や身体への影響を知ることが、改善への第一歩です。今回は、フラットバックの特徴や原因、身体への影響について詳しく解説します。

フラットバックとは?

フラットバックとは、背骨の自然なカーブが失われて背中が平らになってしまう姿勢を指します。通常、背骨は横から見ると緩やかなS字カーブを描いており、このカーブが衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。

しかし、フラットバックの方は腰椎の前弯(ぜんわん、前にカーブしていること)や胸椎の後弯(こうわん、後ろにカーブしていること)が減少し、背骨全体が真っすぐに近い状態になっています。

見た目の特徴としては、横から見たときに背中が平坦に見え、骨盤が後ろに傾いた状態になります。また、お尻が平らに見えたり、膝が曲がりやすくなったりすることもあります。立っているときに壁に背中をつけると、腰と壁の間にほとんど隙間ができないのもフラットバックの特徴です。

一見すると背筋が伸びているように見えるため、本人が気づきにくいケースも少なくありません。しかし、背骨本来のクッション機能が損なわれているため、身体にさまざまな負担がかかりやすい状態といえます。

フラットバックの原因

フラットバックが生じる原因はいくつかありますが、現代の生活習慣が大きく影響しています。主な原因を詳しく見ていきましょう。

長時間の座り姿勢

デスクワークなどで長時間座り続けることは、フラットバックの最も大きな原因のひとつです。座っている間、骨盤は後ろに傾きやすく、腰椎の自然な前弯が失われていきます。特にパソコン作業などで前かがみの姿勢を続けると、この傾向はさらに強まります。

毎日何時間も同じ姿勢で座り続けることで、骨盤まわりの筋肉が硬くなり、正しい姿勢を保つことが難しくなっていきます。

また、椅子に深く腰掛けて背もたれに寄りかかる姿勢も、骨盤の後傾を助長してしまいます。

運動不足

運動不足によって体幹や背中の筋肉が弱くなると、正しい姿勢を維持する力が低下します。特に腹筋や背筋、お尻の筋肉が衰えると、骨盤を正しい位置に保つことが難しくなり、フラットバックを引き起こしやすくなります。

また、股関節まわりの柔軟性が失われることも原因のひとつです。筋肉が硬くなると骨盤の動きが制限され、背骨の自然なカーブを作りにくくなってしまいます。

姿勢の悪さ

日常生活における姿勢のクセもフラットバックの原因となります。猫背を気にするあまり背中を過度に伸ばそうとしたり、「良い姿勢」を意識しすぎて背中を真っすぐにしすぎたりすると、かえって背骨の自然なカーブが失われてしまいます。

また、スマートフォンを見る際の前かがみの姿勢や、片足に体重をかけて立つクセなども、長期的には骨盤の傾きに影響を与え、フラットバックにつながる可能性があります。

フラットバックがもたらす不調

ここでは、フラットバックが原因で起こる身体の不調について解説します。

身体の痛み

フラットバックによって背骨の自然なS字カーブが失われると、身体のさまざまな部位に痛みが生じやすくなります。

最も多いのが腰痛です。背骨本来のクッション機能が低下するため、日常の動作による衝撃が腰椎に直接伝わり、慢性的な痛みを引き起こします。

肩こりや首こりもフラットバックの代表的な症状です。背骨全体のバランスが崩れることで、肩や首の筋肉が常に緊張状態になり、血行不良を起こします。頭を支えるために首や肩まわりの筋肉に過度な負担がかかり、頑固なコリや痛みとして現れます。

さらに、膝や股関節に痛みが出るケースもあります。骨盤が後ろに傾くことで下半身全体のバランスが崩れ、膝が曲がりやすくなったり、股関節に余計な負荷がかかったりするためです。長時間立っていると疲れやすく、歩行時にも違和感を覚えることがあります。

自律神経の乱れ

フラットバックによる姿勢の崩れは、自律神経のバランスにも悪影響を及ぼします。背骨のまわりには自律神経が通っており、背骨のゆがみや筋肉の緊張が神経の働きを妨げてしまうのです。

自律神経が乱れると、疲れやすさや倦怠感、睡眠の質の低下といった症状が現れます。また、消化不良や便秘、冷え性なども引き起こされやすくなります。さらに、イライラや不安感、集中力の低下といった精神面への影響も見られることがあります。

姿勢と自律神経は密接に関係しているため、フラットバックを改善することで、これらの不調も軽減される可能性があります。

フラットバックの改善策

ここでは、簡単に取り組めるフラットバックの改善策について紹介します。

正しい姿勢を意識する

フラットバックを改善するためには、まず正しい姿勢を理解し、日常生活で意識することが大切です。正しい立ち姿勢では、横から見たときに耳・肩・股関節・膝・くるぶしが一直線上に並びます。骨盤は地面に対して垂直に立っており、腰には自然な前弯があります。

座るときは椅子に深く腰掛け、骨盤を立てるように意識しましょう。背もたれに寄りかかりすぎず、足裏全体が床につく高さに調整します。デスクワーク中は1時間に1回程度立ち上がって身体を動かし、同じ姿勢が続かないようにすることも重要です。

壁を使った姿勢チェックも効果的です。壁に背中をつけて立ち、かかと・お尻・肩甲骨・後頭部が壁につくようにします。腰と壁の間に手のひら1枚分の隙間ができるのが理想的です。この感覚を覚えて、日常生活でも意識してみましょう。

筋トレやストレッチを行う

フラットバックの改善には、固くなった筋肉をほぐし、弱った筋肉を鍛えるストレッチや筋トレが有効です。

キャット&カウ

1. 床に両手と両ひざをつき、背中がまっすぐになるように四つん這いになる。両手は肩の真下、ひざは腰の真下に置く
2.息を吐きながら、背中を丸める。おへそをのぞき込むようにして、肩甲骨の間を広げるイメージで動かす
3.息を吸いながら、背中を反らせる。胸を軽く開き、目線を斜め前に向ける。腰を反らせすぎないように注意する
4. 呼吸に合わせて、丸める・反らせる動きを交互に行う。1回の動きを1セットとして、5セット繰り返す

肩甲骨や背骨まわりの筋肉をほぐすストレッチです。インナーマッスルの強化にもつながりますよ。

片膝立ちのストレッチ

1. 床の上で両ひざをつき、背筋を伸ばして姿勢を整える
2. 右足を前に出し、ひざが90度になるように曲げる。右のかかとはひざの真下にくる位置に置く
3. ゆっくり息を吐きながら、左足の股関節を前に押し出す。上体はまっすぐのまま、10秒ほどキープする
4. 呼吸を続けながら元の姿勢に戻る
5.1~4を3回繰り返す
6. 左足を前に出して、反対側も同じように行う

片膝立ちのストレッチは、太ももと骨盤をつなぐ腸腰筋(ちょうようきん)を伸ばすことで、股関節の柔軟性を高めます。骨盤まわりの動きがスムーズになると、姿勢の安定や歩行時のつまずき予防にもつながります。

骨盤前傾のストレッチ

1.仰向けに寝て、両ひざを立てる。足の幅は腰と同じくらいに開く
2.両手は体の横に置き、肩と首の力を抜いてリラックスする
3.ゆっくり息を吸いながら、腰を軽く反らせて骨盤を前に傾ける
4.腰と床の間に少しすき間ができた状態で5秒ほどキープする
5.息を吐きながら、ゆっくり元の姿勢に戻す
6.1~5を5回繰り返す

骨盤のゆがみを整えるストレッチです。ゆっくりと呼吸しながら行いましょう。

フラットバックが気になる方はゆうしんグループへご相談ください

フラットバックの改善には専門家のサポートを受けることも効果的です。「ゆうしんグループ」では、姿勢の問題に専門的なアプローチを提供しています。

ゆうしんグループの大きな特徴は、痛みのない施術を行っている点です。無理な力を加えることなく、身体本来のバランスを取り戻すことを目指しています。

また、丁寧なカウンセリングを重視しており、一人ひとりの生活習慣や身体の状態をしっかりと把握した上で、最適な施術プランを提案致します。

さらに、AI姿勢分析システムを導入しているため、客観的なデータに基づいて自分の姿勢の状態を確認できます。改善の過程も数値で把握できるため、モチベーションを保ちながら取り組むことができます。フラットバックでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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まとめ

フラットバックは背骨の自然なS字カーブが失われた状態で、長時間の座り姿勢や運動不足、姿勢の悪さなどが主な原因です。腰痛や肩こり、首こりといった身体の痛みだけでなく、自律神経の乱れによる疲労感や睡眠の質の低下など、さまざまな不調を引き起こす可能性があります。

改善のためには、正しい姿勢を日常的に意識し、ストレッチなどを継続的に行うことが大切です。セルフケアで改善が難しい場合は、専門家のサポートを受けることも検討してみましょう。姿勢を整えることで、身体の不調が軽減され、より快適な毎日を過ごせるようになります。

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