
ぎっくり腰の予兆を感じたら……すぐにやるべき対処と受診の判断ポイント
最終更新日:2025.08.22
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ぎっくり腰になると、痛みで日常生活に支障が出ます。予兆を感じた時点で対処し、症状が悪化しないようにすることが大切です。
しかし、そもそもぎっくり腰の予兆とはどのようなものなのか、どう対処したら良いのかわからない方もいるでしょう。
そこで今回は、ぎっくり腰の予兆や、予兆を感じたときの対処法、病院を受診すべきケースなどについて解説します。
目次
ぎっくり腰の主な予兆
ぎっくり腰とは、起床時や何らかの動作をしたときに腰に現れる強い痛みのことです。正式には急性腰痛症と呼ばれます。
「これがぎっくり腰の予兆」という明確なものはありませんが、「もしかしたら腰が痛くなるかも……?」という予感が、実際にぎっくり腰の前触れだったということも多いようです。
セルフチェックリスト
どのような場合にぎっくり腰が起こりやすいのかがわからない方は、次のリストでセルフチェックしてみてください。以下の項目に1つでも該当するものがある場合、ぎっくり腰が起きる可能性があります。
▼日中に感じる違和感
・重い物を持ち上げると腰が痛む
・座っているとだんだん腰が痛くなってくる
・前かがみになると腰に強い痛みを感じる
・椅子から立ち上がるときに腰が痛む
・咳やくしゃみをしたときに腰に響くような痛みを感じる
・階段の昇り降りがきつい
▼就寝中・起床時に感じる違和感
・仰向けで寝ると徐々に腰が痛くなってくる
・寝返りを打つと腰に痛みを感じる
・ベッドや布団から起き上がる際に腰が痛む
▼そのほかの違和感
・入浴などで腰を温めると痛みが強まる
・季節の変わり目に腰痛がひどくなる
ぎっくり腰になりそうなときの対処法
ぎっくり腰になりそうな予感があるものの、どうすれば良いのかわからない方もいるでしょう。そこで、ぎっくり腰になりそうなときの対処法を紹介します。
安静にする
ぎっくり腰の予兆があるときは、無理に身体を動かさないことが重要です。特に強い痛みを感じるときは、腰まわりの筋肉や関節への負担を減らすためにも安静にするようにしましょう。
なお、安静にするときに仰向けで寝ると、腰の痛みが悪化する場合があります。痛みを感じる側が上になるように横向きに寝転がり、背中を丸めて膝を曲げ、腰に負担がかからないように調整しましょう。
どうしても仰向けで寝たい場合は、膝の下にタオルやクッションを入れると腰が反りにくくなります。
さらに、深呼吸をして身体の力を抜き、筋肉がリラックスできるようにしましょう。普段よりも長めに睡眠時間を確保して、しっかりと身体を回復させるのも有効です。
無理な姿勢をとらない
腰や背骨は、以下のようなさまざまな組織に支えられています。
・筋肉
・筋膜
・靭帯
・椎間板(軟骨)
・椎間関節
・骨膜
・血管 など
ぎっくり腰は、これらの組織が損傷することで発症すると考えられています。
どの組織が傷ついているのかは、検査をしないとわかりません。腰をひねる、前かがみになるなどの無理な姿勢はできるだけしないようにして、腰全体を労わりましょう。
また、座りっぱなし、立ちっぱなしなど、長い時間同じ姿勢を続けることも腰への負担を増大させます。
仕事に集中していると、ついつい同じ姿勢を続けがちですが、こまめに姿勢を変えたり身体を動かしたりするようにしましょう。
ぎっくり腰になったらやってはいけない行動については、以下の記事で詳しく紹介しています。
「ぎっくり腰になったら絶対NGな行動4つと正しい予防法3選」
熱感があれば冷やす、なければ温める
腰に痛みと熱感がある場合は、炎症が起きている可能性があるため、冷やすことが大切です。氷を入れたビニール袋やアイスパック、保冷剤など使いやすいもので構いません。肌に直接当てると凍傷になるおそれがあるので、ハンカチやタオルで包んで使用しましょう。
15~20分以内を目安に冷やし、患部の感覚がなくなったらいったん終了します。40分ほど経って痛みがぶり返してきたら、再度冷やしてください。
これを60分おきに、48時間続けます。冷やしすぎも良くないので目安の時間を守りつつ、患部の状態を見ながら行ってください。
熱感がない場合、あるいは熱感が治まってきた場合は、患部を温めて血行を促進させましょう。湯たんぽや使い捨てカイロを当てる、湯船につかる、ドライヤーの温風を当てるなどの方法がおすすめです。
血行が良くなると筋肉の緊張が緩み、痛みも和らぎやすくなります。ただし、温めることで痛みが強くなる場合は、無理に温めず医療機関を受診してください。
コルセットを巻く
腰の痛みが強いときは、コルセットの使用を検討しましょう。ぎっくり腰の予兆があるときは、前かがみになる、くしゃみをするなどのちょっとした動作で痛みが悪化するリスクがあります。
コルセットを着用すれば腰が固定されるため、こうした動作による痛みの防止につながるのです。
ただし、長期間の着用は腰まわりの筋力低下につながる可能性があります。痛みが強いときや長距離移動のときなど、「ここぞ」という場面だけにとどめましょう。
また、コルセットを強く締め付けたり、着用したまま寝たりするのもNGです。締め付けによって血行が悪くなり、症状が長引くおそれがあります。
軽い運動・ストレッチをする
あまり痛みが強くないときや痛みが引いた後は、軽い運動やストレッチで身体を動かすようにしましょう。ぎっくり腰の予兆があるときの対処法として、軽く身体を動かすのは有効だとされています。
身体を動かすと腰まわりの筋肉が緩み、血行が良くなったり可動域が広がったりして負担が軽減されるためです。安静にしすぎると、かえって回復が遅れてしまうこともあるため、無理のない範囲で運動してみましょう。
体幹の強化に役立つピラティスやヨガを行うのも、ぎっくり腰防止に向いています。
中腰の作業を控える
ぎっくり腰の予兆を感じたら、中腰の作業もできるだけ避けましょう。中腰の状態は、腰の筋肉や椎間板への負荷が大きいためです。
また、重い物を持ち上げる動作も、腰に大きな負担がかかります。基本的には重い物を持たないようにしましょう。どうしても持つ必要がある場合は、前かがみではなく膝を曲げて腰を落とし、できるだけ物に近づいてから持ち上げましょう。
こんなときは注意!病院を受診すべきケース
腰痛の症状が現れるのは、ぎっくり腰だけではありません。
例えば、ぎっくり腰の予兆と思われる症状に加えて、以下のような症状が出ている場合は、腰椎椎間板ヘルニアや腰椎脊柱管狭窄症(ようついせきちゅうかんきょうさくしょう)、腰椎分離症などの疾患を発症している可能性があります。
・足が痛い
・足がしびれる
・足に力が入らない
・腰周辺の痛みが長期間(2週間以上)継続している など
また、次のような症状がみられる場合は、側弯症(そくわんしょう)を発症している可能性が考えられます。
・背骨がねじれている
・左右の肩や腰の高さが異なる
・前かがみになると肋骨や腰の骨が隆起する など
さらに、腰痛や上記のような症状に加え、以下のような症状がある場合は、骨折・感染・腫瘍などが原因になっているおそれがあります。
・胸が痛い
・熱がある
・複数の部位に神経症状(しびれや麻痺など)が出ている
・体重が減っている
・栄養不良(低栄養状態)を起こしている
・ステロイド治療を受けている
・がんの治療歴がある
・HIV感染歴がある など
上記のような症状が出ている場合は、一時的に軽快しても速やかに医療機関を受診することをおすすめします。
まとめ
ぎっくり腰を発症すると日常生活に影響するため、予兆と思われる症状が現れた時点で対処することが重要です。今回紹介した内容を参考に、痛みの程度や症状に応じた対処法を実践してみましょう。
自分で対処するのが難しい場合は、専門家に相談するのがおすすめです。ゆうしんグループでは、丁寧なカウンセリングとAI姿勢分析で腰痛の原因を洗い出し、患者さまに適した施術を提供しています。
痛みのないソフトな施術を心がけていますので、腰痛にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
