肩こりはお風呂で改善できる?効果的な入浴方法やストレッチを解説

最終更新日:2026.08.18

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長時間のPC作業やスマートフォンの使用で、慢性的な肩こりに悩んでいる方は少なくありません。「肩こりがつらいけれど、本格的なケアに時間をかけられない……」という方もいるでしょう。そんな方におすすめなのが、お風呂タイムを活用したセルフケアです。今回は、お風呂で肩こりが和らぐ理由や効果的な入浴方法、入浴中・入浴後におすすめのストレッチ、安全に入浴するための注意点まで詳しく解説します

お風呂で肩こりが和らぐ理由

肩こりを引き起こす原因のひとつに、血行不良があげられます。同じ姿勢で筋肉を動かさない状態が長時間続くと、筋肉が硬直して血行が滞ります。このような状態が慢性化すると、肩こりや痛みとして現れるのです。

そのため、湯船にゆっくりとつかる習慣は、肩こり緩和に役立ちます。お湯の温熱効果によって全身の血管が拡張し、血液の流れがスムーズになることで、筋肉の緊張が緩みやすくなるためです。

また、湯船につかることで、全身に水圧がかかり、身体に適度な刺激を与え、血液やリンパの循環を促す働きもあります。

さらに注目したいのが、お湯につかることで感じられる「浮力」の作用です。身体が軽く感じられることで、重力による関節や筋肉への負担が和らぎ、心身の緊張がほぐれていきます。

湯船でリラックスする時間は、自律神経のバランスを整える点でも役立つとされています。ぬるめのお湯にゆっくりつかると、副交感神経が優位になり、身体がリラックスモードに切り替わります。血管が広がりやすくなり、血行が促進されることで、肩こり緩和につながるのです。

このように、入浴は温熱・水圧・浮力の3つの物理的作用と、自律神経を整える効果が期待でき、肩のつらさを和らげるサポートをしてくれます。

お風呂で肩こりを和らげるためのポイント

入浴は身体を清潔に保つだけでなく、肩こりケアにも役立ちます。ここでは、お風呂で効率良く肩こりを和らげるためのコツを紹介します。

ポイント1|40℃のお湯に15~20分つかる

肩こりがつらいときには、肩まわりをしっかりと温めてあげることが重要です。特におすすめなのは、入浴することで身体をじんわりと温める方法です。お湯の温度は熱すぎない40℃程度に調整しましょう。15~20分かけて首から肩までしっかりと湯船につかることがポイントです。

身体をじんわり温めることで、血流のサポートが期待され、固まっていた筋肉がほぐれやすくなります。ただし、42℃を超えるような高温のお湯は、効果が高そうに思えるかもしれませんが、逆効果になりかねません。熱すぎるお湯は交感神経を活発にしてしまい、かえって筋肉が緊張してしまうおそれがあります。

監修者コメント
熊谷 佳巳
株式会社ゆうしん 教育部 部長 / 柔道整復師・鍼灸師

42℃以上のお湯に入ることで、熱ストレスから身体を守ろうと交感神経が優位になり、血圧上昇により心臓に負担がかかるリスクがあります。特に冬はヒートショックのリスクが高まります。また、長時間の入浴は皮脂を流してしまい、乾燥肌の原因にもなります。

さらに、発熱時や下痢時、水分不足の状態では身体の水分調整がうまくいかず、心臓への負担や脱水症状、めまいなどのリスクがあるため、体調に応じて入浴時間を調整しましょう。

ポイント2|入浴中にストレッチをする

入浴中にストレッチを取り入れることで、肩まわりの血行促進と筋肉の柔軟性を高める効果が期待できます。

無理のない範囲で、ストレッチを習慣にしてみましょう。

肩のストレッチ

肩こりをやさしく和らげるには、ストレッチが役立つとされています。湯船につかって十分身体が温まった状態で行うと、筋肉がより柔らかくなり、伸ばしやすくなります。入浴中におすすめの肩のストレッチ方法は以下の通りです。

1.肩を上へ持ち上げ、口から息を吐きながら一気に脱力する
2.1を3~10回ほど、リラックスしながら繰り返す
3.両腕の脇を開き、肩を前方向にゆっくり回し、次に後ろ方向も同様に5回ずつ回す
4.頭を前方へ倒し、右手を後頭部に添える。さらに、左手で右手首をつかむようにして優しく下方向へ引っ張り、首筋をじっくり伸ばす
5.反対側も同様に行う

肩の上下運動や腕を伸ばす動作を取り入れることで、首から肩、背中に広がる僧帽筋にアプローチできます。僧帽筋は肩こりに深く関わる筋肉のため、しっかりと動かすことで肩こり予防につながります。

肩を回す際は、肩甲骨を背中の中心に寄せるイメージで行うと、より効率良くストレッチできます。

首のストレッチ

首から肩、背中にかけて広がる僧帽筋は、デスクワークやスマートフォンの長時間使用で緊張しがちです。この筋肉を緩めるために、首のストレッチを取り入れましょう。

1.首をゆっくりと前後に倒す
2.首を左右へ無理のない範囲で傾ける
3.首を大きくゆっくりと回す
4.1~3の動作をリラックスしながら5回ほど繰り返す

ストレッチを行う前に、首元を温めて筋肉を和らげるとより効果が期待できます。熱めのお湯にタオルを浸してからよく絞り、首にのせれば簡単に温タオルができます。

入浴中でも、肩から上が湯船の外に出ていることが多いため、こうした方法でピンポイントに首まわりを温めてあげると良いでしょう。

監修者コメント
熊谷 佳巳
株式会社ゆうしん 教育部 部長 / 柔道整復師・鍼灸師

入浴中のストレッチは、身体が温まって筋肉が柔らかくなっているため効果的です。ただし、「痛気持ちよい」とやりすぎの境界線は、身体がリラックスした状態でできているかどうかです。

呼吸がいつも通り自然にでき、身体に変な力みや緊張が出ていない状態で行えているかを指標にしましょう。無理をせず、心地よい範囲で継続することが大切です。

ポイント3|入浴剤を入れる

入浴剤を活用することで、肩こりケアの効果を高められます。なかでも、炭酸ガス入りや、身体を温める生薬を含むタイプがおすすめです。

炭酸ガス入りの入浴剤は、ぬるめのお湯でも血行が促されるので、身体の芯から温めるのに役立ちます。炭酸ガスはお湯に溶けると皮膚を通して毛細血管に入り込み、血液中の二酸化炭素濃度を上げる働きがあるのです。

二酸化炭素濃度が上がると、体内で濃度を一定に保とうと代謝が促進され、血管が拡張して血液の流れがスムーズになります。そのため、濃度の高い炭酸ガス入りの入浴剤を選ぶと、より効果が期待できます。

また、生薬タイプの入浴剤は、身体を温めて筋肉の緊張を和らげる作用があるといわれています。選ぶ際は、成分表示を確認し、体調や目的に合ったものを選びましょう。

ポイント4|入浴後は身体の水分を拭き取る

入浴後にしっかりと身体の水分を拭き取ることも、肩こり予防には重要です。濡れた状態のまま過ごすと、お風呂で温めた筋肉が冷えてしまい、再び硬くこわばってしまう可能性があります。

特に、肩まわりは冷えやすいため、乾いたタオルで水分を丁寧に拭き取り、保温対策をしっかり行いましょう。

お風呂につかる時間がない場合はシャワーのみでもOK

湯船につかる時間がとれないという方も、シャワーだけで肩こりのケアは可能です。ここでは、シャワーのみでも肩こり緩和に役立つポイントを紹介します。

42℃程度に設定する

シャワーを使う際は、40~42℃の温度設定がおすすめです。意識して肩や首にお湯を当てることで、短時間でも血行が促進されます。寒い季節には特に体温が下がらないよう、いつもより長めに温めると良いでしょう。

また、夏はぬるめのシャワーでも問題ありません。ただし、シャワーを浴びたときに「冷たい」と感じると交感神経が刺激されてしまうので、肌に触れたときの水温が体温より低くならないよう、お湯の温度を調整しましょう。

シャワーのみで済ませる場合は、以下の手順を参考にしてみてください。

1.40℃程度のぬるま湯で、手足の先から順に身体を慣らすようにシャワーを当てていく
2.お湯の温度を41℃前後まで上げ、やや熱めに調整し、肩・首・背中などに約2分間当てる
3.お湯の温度を20℃ほどまで下げ、冷水シャワーを当てて血管の収縮を促す
4.2~3を交互に3セット繰り返す
5.最後に40℃前後のお湯を全身にかける

首・肩を重点的に温める

首まわりには太い血管が通っているため、この部分を集中的に温めると、全身の血行促進が期待でき、体温も上がりやすくなります。特に、肩甲骨の間には、体温調節や代謝に関わる褐色脂肪細胞が多く存在しています。

そのため、肩甲骨の間をしっかり温めることで代謝が上がり、筋肉の緊張を和らげる一助になる可能性があるのです。シャワーでピンポイントに温めるだけでも、手軽に取り入れられるセルフケアとして有効です。

肩こり緩和でお風呂に入る際の注意点

肩こりの緩和にお風呂は有効ですが、入浴方法を誤ると健康被害を招く危険性もあります。効果を安全に得るために、以下の注意点をしっかり押さえておきましょう。

急激な温度変化に気をつける

冷えた脱衣所や浴室から熱いお湯に入ると、血圧が急上昇したあとに急降下し、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを高めます。これは「ヒートショック」と呼ばれる現象で、特に冬場の入浴時に起こりやすいため注意が必要です。

予防するためには、入浴前に脱衣所を22~23℃程度に温めておくことが大切です。浴室もフタを開けるなどして事前に温めておくと良いでしょう。

お湯の温度は38~40℃程度の低めに設定し、湯船に入る前は心臓から遠い手足からかけ湯をして、ゆっくりと湯船に出入りするよう心がけてください。

水分補給をしっかりする

10~15分の入浴でも、発汗によって約200~600mLもの水分が身体から失われます。水分が不足して脱水状態に陥ると、血液の粘度が上昇して血が固まりやすくなり、熱中症や心臓発作、意識障害を引き起こす危険性が高まります。

こうした深刻なリスクを防ぐために、入浴前にはコップ1〜2杯の水を飲んで、しっかり水分を補給しておくことが重要です。長湯は避け、入浴後にも忘れずに水分を補給するようにしましょう。

食後やお酒に酔った状態で入るのは避ける

アルコールには血圧を下げる働きがあるため、飲酒後の入浴は血圧変動のリスクが高まり、転倒や意識喪失などの事故を招きやすくなります。

また、食後や飲酒後にお湯に浸かると、本来であれば消化管に回るはずの血液が身体の表面に集中してしまい、消化活動に悪影響を及ぼします。

さらに、食後は自律神経の働きによって眠気が促されやすくなるため、浴槽内での居眠りや転倒といった事故につながる危険性もあります。安全のために、食後・飲酒後の入浴は控えるようにしてください。

お風呂上がりにおすすめのストレッチ

お風呂上がりは、身体が温まって血行がよくなり、筋肉の緊張が緩んでいるため、ストレッチを行うのに最適なタイミングです。

身体がほぐれやすくなるだけでなくリンパの働きも促されるため、むくみ解消も期待できます。また、入浴後は副交感神経が優位になりやすく、ストレッチとあわせることで安眠効果も高まります。

なお、これらのストレッチを行う前のお風呂は、交感神経を刺激して体を緊張させないよう、38~40℃程度の温度で15~20分ほど全身浴をするのが理想です。ぬるめのお湯にじっくりと浸かることで、ストレッチの効果をより高めることができます。

上半身の疲れ・肩こりをほぐすストレッチ

デスクワークや長時間同じ姿勢でいると、肩まわりや胸まわりの筋肉が固まりやすくなります。以下のストレッチで、上半身の張りをほぐしていきましょう。

肋間筋を伸ばすストレッチ

長時間同じ姿勢でいると、肋骨まわりの筋肉(肋間筋)が固まって呼吸が浅くなりがちです。肋間筋をほぐすことで呼吸がしやすくなり、胸まわりのこわばりの改善が期待できます。

1.足を肩幅に開き、両手を組んで頭の上へ伸ばす。
2.肋骨が広がることを意識しながら、体を左右にゆっくり倒したり伸ばしたりして、深呼吸する。

肩まわしストレッチ

肩甲骨まわりの筋肉をほぐすことで、肩こりの緩和や血行促進につながります。

1.左右の手でそれぞれの肩に触れる。
2.指先が肩から離れないようにしながら、肩を前に10回、後ろに10回大きく回す。

肩・腕伸ばしストレッチ

肩から二の腕にかけての筋肉を伸ばすことで、肩まわりの血流改善や疲労の軽減が期待できます。

1.片腕を上げて肘を曲げる。
2.反対の手で肘をつかみ、頭の方向へゆっくり引っ張って5秒間キープし、反対側も同様に行う。

下半身のむくみ・疲れを軽減するストレッチ

日中、長時間座ったり立ちっぱなしでいたりすると、足の付け根や太もも裏に老廃物が溜まり、むくみや脚の疲れが生じやすくなります。以下のストレッチで、下半身のめぐりを促しましょう。

ランジストレッチ

足の付け根や股関節まわりの筋肉を伸ばすことで、血流やリンパの流れが促され、足のだるさやむくみの軽減が期待できます。

1.片足を1.5~2歩分前に踏み出し、前足の膝を90度に曲げる。
2.後ろの膝が床につくまでゆっくり上体を下ろし、そのまま20〜30秒キープします。反対側も同様に行う。

※床に膝をつける際に痛みを感じるときは、タオルを敷いて行ってください。

脚伸ばしストレッチ

太もも裏やふくらはぎの筋肉をほぐすことで、脚の張りや疲労感の軽減、血行促進につながります。

1.椅子に浅く座り、片足の裏にタオルをかける。
2.タオルを両手で持ちながらかかとを前へ押し出し、膝裏が伸びる位置で20~30秒間ゆっくり呼吸を続ける。
3.反対側も同様に行う。

※身体が硬い場合は、タオルを持つ位置を体に近い方へ調整しながら行いましょう。

まとめ

肩こり対策は、日々の入浴習慣をうまく活用することがポイントです。湯船でじっくりと温まり、ストレッチや入浴剤を活用することで、血行促進や筋肉を和らげる効果が期待できます。シャワーだけの日でも、首や肩を意識的に温めるようにしましょう。今回紹介した入浴中・お風呂上がりにおすすめのストレッチも日々の生活に取り入れてみてください。

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